浜松のこだわりのお酒とオーガニック食品の店 「酒&FOODかとう」

浜松市のこだわりのお酒とオーガニック食品を専門とする店「酒&FOODかとう」です。

TEL.053-485-3536

浜松市西区神ヶ谷町7873-1(神久呂小学校正門前)

「風と太陽と塩」 伊豆大島へ 後編

「風と太陽と塩」 伊豆大島へ 後編

「風と太陽と塩」 伊豆大島へ 後編
              
         ~ 善きことは、
カタツムリの速度で動く ~
 


    千波工場の流下式装置の建物の前で

          ~千波工場へ~
午後は、千波工場へ!
他のゲストの方々とご一緒に車に乗せていただいて、
20分ほど離れた海岸沿いにある千波工場に向かいました。

途中、岸側に地殻変動の隆起により出来た地層断面がむき出しになって
見えている所がありました。
通り過ぎただけで、ゆっくり見れなかったのは残念ですが、
幾重にもなった地層が褶曲していて
古代からの大自然の営みとエネルギーのすごさを感じました。

海岸端につき、車を降りて
海水をくみ上げている岩場の見える近くまで歩きました。
なんと風が強いことでしょう。
風と潮が混じって吹き付けてきます。

こんな強風の所に小高く立体塩田施設が建てられていました。
コンクリートの基礎の上に建てられた高さ6メートル程の木造の建物は、
回りは日光を取り入れるため、
透明なビニールのような物に覆われています。

建物は想像していたより大きなものではなく、
台風の時はどうなるんだろうと思いました。
一番の驚きは、
基礎工事の他は、従業員の方々の手作りで建てられたと聞いたことでした。
海岸線のかなたに建築中の新工場も見えました。
こちらも、工場の皆さんで作っているのです。
青空の下、大海原と大島の海岸線を見渡せる景色は最高です。
このあたりは、国立公園になっているのです。
黒潮の流れもかなり速いとか。
海水は本当にきれいです。

そして、清らかな塩作りはまさに、ここから始まるのです。
波が打ち寄せる岩場があり、
そこから海水をパイプで汲んで不純物を取り、
それを、ポンプで先程の建物の6メートルの高さの立体塩田装置の上から流します。
装置と言ってもネットや篠竹を伝わらせて流す事を繰り返し
、2,3週間かけて、太陽と風で水分を蒸発させて濃縮し、塩分濃度の濃い海水(かん水)に
していきます。

このかん水を元となり、天日塩が作られたり、平釜で炊いてあらしおが作られます。
建物の中をのぞくとぽたぽたと落ちるのしずくの音が力強く響いてきました。


         ~ほししお作り~

日差しいっぱいの温室の中で天日塩がゆっくりと出来ます


次は、ガラス張りのような温室になっている建物に行きました。


ここは、天日塩・海の晶“ほししお”の作られている所です。
一面に、30枚ほどのかん水をたたえたパレット状の入れ物が並んでいます。
うっすらと表面にほこりの様に付いているのが
海水のカルシュウムの結晶だと聞いてびっくり。
海水が蒸発し、ゆっくりと結晶していき、
人の手で撹拌されながら塩となっていきます。
根気のいる作業。
夏は1週間、冬は1ヶ月かかります。
天日だけで作られる貴重な塩です。
あまり多くは出来ない理由がわかりました。



    まぶしい光を浴び説明を聞く女将。
   後ろのパレットには結晶した塩がうっすら見えます。


そして、ハウスに隣接する作業場では、
計量し、袋詰作業がされていました。
手作業で丁寧にされているのが、印象的でした。
これで二つの工場にまたがっての見学が終了しました。

昼食を交え、4時間。
創業者の二人の方から、直接、お話が聞くことが出来て、
海の精の理念が伝わってきました。

「現状に満足することなく、客観性を重視して、
より良い商品作りを目指している。」とおっしゃる社長さん。
会長さんは、
「心からすすめられる塩作りで、健全で豊かな人づくり。
  究極の目標は、塩が哲学をリードすることです。」と語られました。
とても、奥深い言葉です。
会長さんの目標に向かって社員の皆さんで
よりすぐれた商品作りを今後もしていって下さる事を願い、
海の精の工場を後にしました。

わくわくするような自然のあふれる島、
少しの滞在で残念でしたけど「又、来るね」と、
帰りも来た時と同じように、
岡田港から3時30分発のジェットホイルに間に合い
浜松に帰って来ました。

 
 左:あらしお                  右:天日製法の塩

当店の自慢の「おむすび」は、海の精・焼き塩を使っています。
それは、サラサラと扱いやすい為。
あらしおは当店で以前から扱っています。
きめ細やかでしっとりとしています。
普段の料理以外に梅干を漬けた時は、
塩がすぐ梅になじみ梅酢がすぐ上がるのは驚きです。

ほししおは、初めて仕入れてみました。
結晶が出来たままの”素”という感じです。
そのまま食べてみるとゴリゴリとしていますが、
旨味を感じ余韻の残る味わい。
海の命まるごといただく思いです。

       ~同伴した店主のまとめ~
人間が人間らしく健康で生活するために必要不可欠な塩。
 この塩作りに人生をかけた「海の精」の創業者三人のスタッフの人生ストーリーは、
 まさにインドの指導者・ガンジーの”塩の行進”日本版でもある。

*イギリス人に専売されていた塩を、
 自分たちで作らんと、
 アーシュラムから海岸までの385キロを24日間かけてゆっくり歩く。
 「善きことは、カタツムリの速度で動く」
 それは数百万人の
 奇跡の大運動となった。
 こうした闘いを重ねて1947年、
 インドは200年にわたるくびきを断って、
 悲願の独立を達成。
  ● 出展:デイズジャパン 裏表紙から

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